田七人参は古来より『金不換』と呼ばれるほど貴重な万能薬として、さまざまな怪我や病気の治療、健康維持、心身の滋養のために活用されてきました。
田七人参が日本に伝わって以降、さまざまな研究機関で研究され、学会などで発表もされています。
この章では、アドバンスとしての研究成果に加えて、その効果効能、参考資料として、田七人参(三七人参)関連学術論文一覧などをご紹介させていただきます。

●アドバンスの研究発表
講演会 講師:白井博隆

内容

・田七人参栽培風景
・有機農法
・高血圧/中性脂肪/肺ガン/大腸ガン
・最後に

●具体的な効果効能、病気や症状別の活用方法をご紹介いたします

<具体的な効果効能>

  1. アダプトゲンと未病
  2. 止血作用
  3. 血流を改善
  4. 肝機能を高める
  5. 免疫力を高める
  6. 活性酸素を除去
  7. 血圧を調整
  8. 血糖値を下げる
  9. ストレスを軽減

<病気や症状別の活用方法>

①アダプトゲンと未病

『アダプトゲン』とは、①副作用がなく②作用が特定の臓器に限定されず③正常化作用がある という3つの条件を備えた薬のことを言います。田七人参はこのような条件が揃った理想的なアダプトゲンで、そのことはすでに2千年前の『神農本草経』に、『上品』『養命薬』として記されています。
正常化作用というのは、標準値からどの方向にずれても正常値に戻す作用のことです。例えば、西洋医学では、血圧が高ければ降圧剤を投与しますが、田七人参は高血圧には降圧作用を、低血圧には昇圧作用を示して、血圧を正常値にコントロールします。

漢方には『未病』という概念があります。未病とは、病気というほどではないけれど、体の不調を感じる状態…病気に向かいつつある状態のことです。田七人参はまさに『未病の薬』ということができるでしょう。病気になる前に病気に対して抵抗力のある丈夫な体を作ることで、実際に病気になることを防ぎます。

②止血作用

田七人参に止血作用があることは、古代中国の時代から知られていて、様々な文献にもその効能が記されています。創傷の特効薬として戦場などで用いられ、「片仔廣」や「雲南白薬」といった漢方薬も、止血、止痛、消炎薬として開発されました。ベトナム戦争でも止血剤として用いられたことは有名です。
この止血作用は、他の薬用人参にはない、田七人参特有の効能で、固有の成分である『デンシチン』というアミノ酸の働きによるものです。
この止血・消炎作用により、外傷だけでなく、内臓の炎症にも効果的だと言われています。

③血流を改善する

漢方には『瘀血(おけつ)』という概念があります。
これは、血液の粘度が高くなり、血流が悪くなった状態です。
瘀血の原因としては、ストレス・運動不足・偏食・生活環境の変化などで、瘀血によって引き起こされる症状として、皮膚のシミやくすみ、筋肉痛、肩こり、ひどくなると心筋梗塞や脳梗塞、胃潰瘍、肝硬変、肝炎、腎機能障害、動脈硬化、更年期障害、慢性関節リウマチ・ガンなどの原因となります。
田七人参が血流改善に効果があることは、16世紀の文献『本草網目』にも記されています。

田七人参の『サポニン』には、体内の活性酵素を除去したり、ドロドロ血液の原因となる中性脂肪やコレステロールを分解する効果があります。しかも、田七人参にはこのサポニンが高麗人参の4倍も多く含まれています。

また、『フラボノイド』には血管の弾力性を高め、血液をサラサラにする効能があります。

瘀血は、女性特有の症状である、月経困難・不妊症・更年期障害・冷え性の原因と言われています。血流の改善により、これらの症状も解消していくと考えられます。

④肝機能を高める

田七人参を85%配合している漢方薬『片仔廣(へんしこう)』は、肝機能障害の治療薬として世界的に有名です。

田七人参には、肝機能をサポートし、肝炎・肝機能障害・肝硬変・肝がんにも有効であるという報告があります。
肝臓への効果効能としては、次のようなものが挙げられます。
• 免疫に対する正常化作用
• 抗炎症作用
• 幹細胞活性化作用
• 肝臓保護作用
• 脂質代謝改善作用

田七人参に含まれる必須アミノ酸『アルギニン』は、体内に入ると一酸化窒素の原料となります。これが血管の保護、幹細胞の保護、組織の修復という働きをします。また、アルコール性肝炎を引きおこす原因物質エンドトキシンの増加を抑制します。
さらに、『有機ゲルマニウム』が酸素を体の隅々に運び、赤血球の働きを促進させます。血流が良くなって、肝臓に酸素と栄養分がたっぷり運ばれるので、肝臓の働きも活性化します。

⑤免疫力を高める

人間の体内にウイルスが侵入すると、インターフェロンというタンパク質が作られ、ウイルスの活動を阻止して、感染を防ぎます。田七人参に含まれる『有機ゲルマニウム』は、このインターフェロンを増やして活性化させ、免疫力をアップするのです。ガンや肝炎の治療薬として使われるインターフェロンですが、大変高価で、副作用が強いため、気軽に投与できるものではありませんから、体内でインターフェロンを増やして免疫力をつけることは、ガンや肝炎の防止にも役立つといえるでしょう。

また、『フラボノイド』にも、抗ウイルス作用があります。

『サポニン』には、体内のNK(ナチュラルキラー)細胞やマクロファージを活性化させる働きがあります。NK細胞はがん細胞やウイルスを攻撃、殺傷し、マクロファージは病原体や異常細胞、細胞の残骸を食べて分解します。これらの『免疫細胞』を活性化することで免疫機能の強化が期待でき、ガンや肝炎の予防にも役立ちます。

さらに、免疫力を高めるだけでなく、田七人参の正常化作用は、免疫力を調整し、慢性関節リウマチなどの自己免疫疾患、過剰免疫による気管支喘息やアトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患にも効果を及ぼします。

⑥活性酸素を除去

田七人参には活性酸素を除去する効果が備わっています。
強いストレス、紫外線、喫煙、食生活の乱れなどにより、増えすぎた活性酸素は細胞にダメージを与えます。普通、活性酸素は細胞内の酵素で分解されていきますが、分解しきれない余分な活性酸素は、ガンや生活習慣病、老化を促進するなど、色々な病気の原因になると言われています。
余分な活性酸素を除去することによって、動脈硬化・虚血性心疾患・脳虚血・急性膵炎・薬剤性肝障害、白内障、糖尿病、癲癇などの予防、軽減にも繋がることが期待されます。

⑦血圧を正常値に戻す

高血圧症は、頭痛・肩こり・耳鳴り・めまいなどを引き起こし、狭心症・心筋梗塞・脳卒中の原因となる危険な症状です。しかし、降圧剤は血圧が下がりすぎたり、頭痛や嘔吐、肝臓や腎臓への副作用が心配です。
田七人参は、心臓に直接作用したり、毛細血管を拡張して血圧を低下させます。また、血液を浄化してサラサラにする・血栓の予防・自律神経を整える・利尿作用などによって、血圧を下げる効果があります。

低血圧は、手足の冷えや寝起きの悪さ、倦怠感、めまいなどを引き起こします。
田七人参の強心作用が心臓を活発にし、血圧を正常に戻します。

田七人参は高血圧には降圧作用を、低血圧には昇圧作用を示して、血圧を正常値にコントロールします。標準値からどの方向にずれても正常値に戻す『正常化作用』が田七人参のすぐれた特長です。

⑧血糖値を下げる

田七人参の『サポニン』は体内でインスリンと似た働きをし、血糖値を下げる効果があります。

『パナキサントリオール』が、筋肉への糖の取り込みを増加させる作用があり、筋肉での糖代謝を改善します。それによって、血糖値を下げる効果効能があります。

血中コレステロール・中性脂肪・過酸化脂質を低下させ、HDLコレステロールの上昇などの脂質代謝改善作用が認められています。
また、糖尿病による三大合併症といわれる網膜症・腎症・神経障害を改善し、手足のしびれや痛みなどの末梢神経障害の改善、四肢の冷えやほてりなどの抹消循環障害を改善します。(『夢の超漢方薬 三七人参』井上文明著より)

⑨ストレスを軽減する

田七人参の『サポニン』が中枢神経に作用して、ストレス予防効果、ストレス回復促進効果を発揮します。
また、中枢神経系に対する鎮痛作用と興奮作用とがバランスよく働き、精神と身体とを正常な方向へ誘導するという絶妙な効果を発揮します。(『夢の超漢方薬 三七人参』井上文明著より)

ストレスは万病の元といわれます。胃潰瘍・高血圧症・狭心症・気管支喘息・糖尿病・自律神経失調症などの原因となり、ガンや動脈硬化にも影響します。
ストレスを軽減させることで、万病を予防することができると言えるでしょう。

生活習慣病の予防

田七人参には生活習慣病の原因となる中性脂肪、コレステロールを分解し、吸収を抑える働きを持つ成分が含まれています。

ガンの抑制効果

千葉科学大学教授 木島孝夫博士によれば、皮膚・肺・肝臓の化学発ガンについて、動物実験を行ったところ、ガンに対する抑制効果が認められたということです。(『五臓六腑に田七人参』木島孝夫著より)
ガンへの効果は『パナキシノール』『パナキシトリオール』といったアセチレン化合物が関与していると思われます。
『アラビノガラクタン』という多糖類には、インターフェロン誘発作用や抗腫瘍作用が認められています。

田七人参は、抗がん剤と違って副作用もなく、正常な細胞を壊すこともないので、抗がん剤や放射線治療と合わせて摂ることで、それらの副作用を防いだり緩和したりする働きもあります。

さらに、ガンによる様々な症状の緩和にも効果があります。
• 悪液質の進展を防ぎ栄養状態を良くする
• 末期の疼痛の緩和
• 全身の疲労感を軽減
• 食欲不振を改善
• 不眠・イライラなど、精神状態の改善

脳血管疾患の予防・後遺症に

田七人参には強力な止血作用や血小板の凝集を防ぎ血栓の生成を抑える作用があるため、脳卒中の予防や治療に効果的です。
また、脳卒中の後遺症である、手足の麻痺・知覚障害・言語障害・不眠・頭痛・イライラ・意欲低下などを改善する効果もあります。

心臓疾患に

狭心症や心筋梗塞にも田七人参が効果的であるという研究結果が報告されています。
高血圧症、高脂血症、糖尿病などにより、冠動脈が硬化して狭くなると、血栓が詰まって心筋梗塞や狭心症の原因となります。田七人参の『フラボン配糖体』は、冠動脈の血流を増加させ、心筋の酸素消費量を減少させて心臓の機能を高めます。

胃の機能を整える

血流改善作用によって胃粘膜の血流をよくし、胃の機能を整えるので、胃潰瘍を治癒し、潰瘍による胃痛、胸やけ、吐き気などの症状を改善します。
さらに抗ストレス作用や体質改善効果もあるので、胃潰瘍の再発を防ぐという効果もあります。
十二指腸潰瘍や胃炎、胃アトニーにも効果が期待できます。

整腸作用

田七人参は腸の働きの乱れを調整し、腸を潤すことにより、便秘を解消します。
また、肛門部の血液循環が悪くなることから生じる痔核にも効果的です。血液循環を改善して瘀血を取り除き、さらに止血・鎮痛作用によって時による出血や痛みを改善します。

抗アレルギー作用

田七人参の『サポニン』が活性酸素やアレルギー物質の侵入を防ぎ、アレルギー症状を和らげる効果があります。
また、免疫正常化作用や抗ストレス作用がアレルギーに効果をもたらすと考えられます。気管支喘息・アトピー性皮膚炎・花粉症などが改善したという報告が数多くあります。

リウマチの諸症状を緩和

免疫異常によって起こる慢性関節リウマチにも効果を発揮します。
免疫を正常化し、抗炎症作用、鎮痛作用によって、痛みや手足のこわばり、冷えなどの症状を緩和します。

腰痛・肩こり・五十肩・関節炎を改善

消炎鎮痛作用や血流改善作用があるので、西洋薬のように胃腸障害を起こすことなく、炎症を抑えて痛みを取り、新陳代謝を促して腰痛、肩こり、五十肩、関節炎を改善します。患部周辺のむくみや手足のしびれ、冷え、こむら返りなども改善します。

更年期障害に

田七人参にはホルモンバランスを整えて症状を改善する効果効能があります。抗ストレス作用が期待できる成分が含まれているので、更年期障害改善への効果も期待できます。

肥満の予防・ダイエットに

田七人参の『サポニン』は脂肪の酸化を抑えたり、悪玉コレステロールをたまりにくくし、血液をサラサラな状態に導きます。

加齢に伴う基礎代謝の低下が原因で、中年以降に太り始める人が多くなりますが、田七人参には新陳代謝を高める作用があるので、エネルギー代謝を高く維持し、体内への脂肪の蓄積を防ぎます。また、脂質代謝を調整して血中脂質を低下させる作用があることも、肥満の改善に効果的です。
自律神経に作用して摂食中枢をコントロールするので過食を防ぎ、ダイエットによって不足しがちになるビタミンやミネラルも、田七人参にはたっぷり含まれています。

参考文献:『夢の超漢方薬 三七人参』井上文明著
     『五臓六腑に田七人参』木島孝夫著
『田七人参の薬効』今西義則著